【子猫のワクチン徹底ガイド】回数・頻度・必要性・いつから始める?

キャットフード博士
小太郎君、すっかり大きくなりましたよね。
子猫の頃は本当に小さかったのに…。
加奈子
あの頃はワクチンからミルクのあげ方まで、博士に教えて貰いましたよね。
本当に何から何まで有難う御座いました。
小太郎
子猫のワクチン接種の費用・回数・頻度・必要性なんかを詳しくまとめたにゃ。
特に1歳未満の子猫と暮らしている人は必見にゃ!

 

子猫のワクチンの種類と値段・費用・料金まとめ

感染症の名前 3種 4種 5種 7種 単体
猫ウイルス性鼻気管支炎
猫カリシウイルス感染症 3種類
猫汎白血球減少症
猫白血病ウイルス感染症
猫クラミジア感染症
猫免疫不全ウイルス感染症

 

  • 3種・・・4,000~6,000円
  • 4種・・・4,000~7,000円
  • 5種・・・5,000~7,500円
  • 7種・・・7,000~8,500円

7種混合ワクチンでは5種類の感染症+カリシウイルスの別タイプを2種類加えたものです。カリシウイルスにはいくつか種類があるため、カリシウイルスを強化したものが7種混合ということになります。

 

料金については接種する病院によって異なりますが、だいたい上記をイメージしていれば大きく外れることはありません。4種または5種を接種するのが一般的です。クラミジアに関しては感染力が高いものの治療法もあり、死亡することはありません。

 

子猫にとってワクチンの必要性

ここでは「うちの子にはどのワクチンを打てば良いのかわからない」という方の為にワクチンで予防できる感染症の感染力・死亡率・治療方の有無などをご紹介します。基本的に「クラミジア」以外には特効薬がありません。

 

そのため、感染によって起こる症状に対して対症療法を行っていくしかありません。また、「猫免疫不全ウイルス感染症」以外については健康な成猫の場合、無症状の場合が多くキャリアとして他の猫にうつすこともあります。伝染病の感染・蔓延を防ぐためにも室内飼いが基本になります。

 

どのワクチンを接種するかは、「完全室内飼い」かどうか「飼い主・来客が外からウイルスを持ち帰る可能性があるか」という点からみていくとおのずと必要なワクチンが見えてきます。

 

猫カリシウイルス感染症

  • 感染力・・・強い(乾燥環境で3~4週刊生存)
  • 感染経路・・・猫同士の接触・空気感染・感染猫に触った飼い主を介して
  • 治療法・・・特効薬はなし、口内炎や舌炎などの対症療法
  • 死亡率・・・免疫力の低い子猫・老猫での死亡率が高い
  • 症状・・・口内炎・舌炎・高熱・くしゃみ・鼻水・よだれ

 

一般的に「ネコ風邪」・「猫インフルエンザ」と呼ばれるもの一つで、免疫力が高い子はかかっても無症状の場合が多く、感染している個体が多い病気で冬に多く見られるます。完治はせず8~9割がキャリア(ウイルス持ち)になるといわれています。

 

キャリアになると一時は症状が治まりますが、ストレスや他の病気で免疫力が落ちてくると症状が再発します。治療が遅れると慢性化することもあるので子猫や老猫の感染には注意が必要な病気といえます。

 

完全室内飼いであっても感染している猫を触った飼い主が自分の飼い猫に移してしまうこともあるので感染力を考えるとワクチン接種しておくと安心です。

 

猫ウイルス性鼻気管支炎

  • 感染力・・・強い(無症状のウイルス持ちが多い)
  • 感染経路・・・猫同士の接触(猫同士のグルーミングや唾液・くしゃみなどの体液)
  • 治療法・・・特効薬はなし、角膜炎や結膜炎などの対症療法
  • 死亡率・・・免疫力の低い子猫・老猫の死亡率が高い
  • 症状・・・くしゃみ・目ヤニ・鼻水・咳・角膜炎・結膜炎・口内炎など

 

こちらもカリシウイルス同様に「ネコ風邪」・「猫インフルエンザ」・「猫コリーザ」と呼ばれる病気で、通常は2週間程度で完治しますが、80%はウイルスが体内に侵入しキャリア(ウイルス持ち)となることが多いです。

 

生後6カ月未満の子猫はこの病気にかかると進行が早く、死亡することが多い。キャリアになると症状が治まっても他の病気などで免疫力が落ちた時に再度症状が現れる厄介な病気。

 

「猫カリシウイルス感染症」を併発することが多く、「猫ウイルス性鼻気管支炎」と合わせて「ウイルス性呼吸器感染症」と呼ぶこともあります。

 

猫汎白血球減少症(ねこはんはっけっきゅうげんしょうしょう)

  • 感染力・・・強い(外界ににて半年~1年生存するといわれている)
  • 感染経路・・・猫同士の接触・排泄物や吐しゃ物を鼻や口から摂取
  • 治療法・・・特効薬はなし、角膜炎や結膜炎などの対症療法
  • 死亡率・・・子猫の重症化が多い
  • 症状・・・心筋炎・心不全・嘔吐・食欲不振・下痢・水溶性粘血便

 

「猫伝染性腸炎」・「猫パルボウイルス感染症」・「猫ジステンバー」とも呼ばれます。感染力が非常に強く、死亡率も高い病気で白血球が減少し、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱くなり合併症を起こしやすくなる病気です。

 

外界で半年~1年生存するといわれていることから、道端にされたおしっこや糞を介して感染する危険性もあります。また、「猫汎白血球減少症」と呼ばれていますが、一部の犬やイタチ科の動物に感染することが確認されており、防ぐのが難しい伝染病です。

 

「猫汎白血球減少症」についても効果的な薬はなく、症状に合わせた対症療法しかありません。他の猫・動物との接触を控える為にも完全室内飼いを徹底し、飼い主も猫や動物に触れた後、帰宅時に手洗いなどを徹底する必要があります。(服などを介すこともある他、消毒が難しいので基本は他の猫や動物に触れないことが望ましい)

 

猫白血病ウイルス感染症

  • 感染力・・・弱い(外界では数時間~2日程度しか生存できない)
  • 感染経路・・・感染猫の体液(唾液・涙・血液・乳)・母子感染
  • 治療法・・・特効薬はなし、角膜炎や結膜炎などの対症療法
  • 死亡率・・・免疫力が低い子猫の致死率が高い(発病後の寿命は約3年)
  • 症状・・・下痢・発熱・鼻水・口内炎・食欲不振・体重減少

 

成猫はそうそう感染しませんが、子猫はほぼ100%感染し、生後1か月での感染では50%、生後4カ月を超えると90%が治癒するといわれています。感染した猫とのケンカやグルーミングなど唾液や涙などの体液を介して感染する他、母猫が感染している場合、出産時に子猫に感染します。(母子感染)

 

ウイルス自体は弱いんですが、体液全般を介して感染するため感染経路は豊富です。多頭飼いの家庭では食器やトイレを別にし、部屋もわけることで感染を避けることができます。感染しても約半分はウイルスが消えるといわれています。

 

4カ月後の検査で陽性の場合は持続感染と判断しますが、このうち発病するのは3割りといわれています。なので感染しても発病することなく生涯をまっとうする猫も多いです。成猫が感染猫と接触した場合の感染確立は10%程度と言われています。

 

猫クラミジア感染症

  • 感染力・・・弱い(一般的な消毒剤で死滅させられる)
  • 感染経路・・・感染猫との接触(目・鼻・口)・母猫から子猫へ
  • 治療法・・・抗生物質の投与
  • 死亡率・・・免疫力が低い子猫は重症化しやすい
  • 症状・・・目ヤニ・結膜炎・鼻水・くしゃみ・気管支炎・肺炎・咳

 

感染すると3~7日ほどで目ヤニを伴う角膜炎が起こり、もう片方の目にも角膜炎が出てきます。感染経路としては目・鼻・口を介して感染しますが、感染猫の排泄物にもクラミジアがいることもあり、少ないですが人にも感染する伝染病です。

 

キャリア(元気なうちは症状がでないが、免疫力が下がると症状が出る)状態の場合もあり、母猫がら子猫に感染した場合、重症化して死に至ることもあります。キャリアを避ける為には飼い主の独断で抗生剤の投与をやめたりせず、獣医の指示に従い2週間は投薬をするようにしましょう。

 

一般的な消毒剤で死滅させることができるので飼い主は他の猫に触れた場合、手洗いをすることで感染を防ぐことができます。ワクチンがある伝染病の中で唯一人にも感染する病気(人獣共通感染症)です。

 

猫免疫不全ウイルス感染症

  • 感染力・・・弱い(一般的な消毒剤で死滅させられる)
  • 感染経路・・・感染猫との接触・唾液・母子感染
  • 治療法・・・特効薬はなし、対症療法のみ
  • 死亡率・・・感染から発病までの期間が長いが、発病すると数日~数カ月で死亡するケースが多い
  • 症状・・・発熱・下痢・貧血・悪性腫瘍

 

正式には「猫後天性免疫不全症候群」といい、「ネコ免疫不全ウイルス(FIV)」によって起こる症状のことを指します。「猫エイズ」と呼ばれることもあります。感染1か月~1年くらいは下痢や発熱程度の軽い症状が続きます。

 

4~5年はキャリア(症状はないが感染してる)期が続きます。中には10年以上キャリア期が続く場合もあります。キャリア期が終わるとエイズを発症し、歯肉や歯周病・口内炎などをを起こします。免疫力を低下させるため、通常は無害な常在菌が悪性化し皮膚病などを起こしやすくなります。

 

猫エイズウイルスには特効薬がないので、現れた症状に対して対症療法をするしかありません。感染猫とのケンカ(噛まれた時の唾液)が主な感染経路として考えられているため、完全室内飼いにして予防するかワクチンで予防するしかありません。

 

なんだか元気がない…ワクチン接種後は猫のこんな症状に注意!【後遺症と副作用】

  • 元気がない(24時間以降も)
  • 食欲の低下(24時間以降も)
  • 下痢・軟便
  • 吐き気
  • 顔の腫れ・むくみ・痒がる
  • 注射した箇所の腫れ(2~3週間後も腫れがひかない)
  • 呼吸の異常
  • 体温の低下
  • よだれ
  • ふるえ
  • ぐったりする
  • 倒れる

 

ワクチンは病気の感染を防ぐためにも必要なんですが、副作用としてアレルギー反応によって上記のような症状が現れる場合があります。例えば、午前中に接種した場合その日一日は元気がなかったり発熱が続くことがあります。

 

翌日になっても食欲が無かったり寝てばかりいる状態だと危険です。病院でも「何か異変に気づいたら連れてきて(翌日も診察している日に打った方が良い)」と言われるとは思いますが、できるだけ早く病院に連れていってあげて下さい。アレルギー反応には2種類あります。

 

一つは15分~1時間程度で急激に症状が現れるアナフィラキシーショックです。これを防ぐために、ワクチン接種をした後は30分~数時間は様子を見る病院もあります。2つ目は2~3時間後に起こるアレルギー反応で顔の腫れや蕁麻疹が現れます。

 

摂取した場所にしこりが残っている場合は、ワクチンが原因で肉腫になることもあります。早期発見して取り除けば問題ありませんが、悪性の場合は命に係わることもあります。もしあなたが不安を覚えてワクチンを接種した病院に連れていったのに獣医から「よくありますよ」と危機感が伝わらないようならセカンドオピニオンも検討してください。

 

ワクチンには必ず副作用があります。厄介な病気を防ぐ為に効果的ではありますが、このことを知らずに接種させる飼い主の方が一定数います。「完全室内飼い」にするだけでもかなりの数の伝染病を防ぐことができます。

 

また、過去のワクチン接種で上記のような症状が出ている場合、アレルギー反応を起こしている可能性があり、同一のワクチンを接種することでアナフィラキシーショックを起こす可能性もあるので、必ず前回の様子を獣医に伝えて下さい。

 

よく、ワクチンを接種することで「100%の予防はできないけど万が一その病気にかかった時に症状を軽くできる」という話しを聞きますが、これについては諸説あり当サイトとしては確かなデータや調査結果がある訳ではない為、信頼性に欠けると判断しています。

 

子猫にワクチンをする時期とその後の回数・頻度

上記でも書いたようにワクチンは副作用があるので健康な猫にしか接種することができません。また、母乳を飲んでいる場合、母乳を通して母猫から免疫を受け取っているのでこの「受動免疫(8週目~12週目に働く)」が切れたタイミングで行います。具体的には下記をご覧ください。

 

  • 生後6~8週で1回目
  • 1か月後に追加接種
  • 4カ月後に追加接種(2回で終わりの病院もある)
  • その後は1年~3年回の接種

 

上記はAAFP(全米猫獣医協会)とWSAVA(世界小動物獣医協会)のガイドラインを元にしています。3回目の接種から6カ月後に行うブースターと呼ばれる追加接種をすることもあります。上記は母乳を飲んでいる子で場合で、母乳を飲んでいない場合は生後6週目から接種するのが一般的です。

 

2013 AAFP Feline Vaccination Advisory Panel Report

WSAVA Guidelines 2015

 

病院によって回数や開始時期がまちまちで、最終的に「成猫時には外に出るなら1年に1回、家猫なら3年に1回でいい」という獣医もいますし、日本の製薬メーカーの推奨は1年に1回ですが、海外の研究では3年に1回でも効果が変わらなかったというデータもあります。

 

ワクチンについて考える

ワクチンの副反応(副作用)で死んでしまう子もいます。AAFP(全米猫獣医師協会)によればワクチンの接種によって0.01~0.05%程度でアナフィラキシーショックを起こし、接種後10分程度から呼吸困難や嘔吐・けいれんなどの症状がみられショック死してしまう可能性があるとしています。

 

その多にも腫瘍を誘発したり、他の病気を誘発する可能性もあります。その為、獣医の中にもワクチン接種に対して否定的な方がいます。担当医だけに相談するのではなく、ご自身でも「ワクチンの必要性」と「ワクチンの危険性」について調べてみて下さい。

 

最近のペットホテルでは伝染病を防ぐためにワクチン接種をしていな子は預かって貰えないところがほとんどです。これに関しても長期で不在する際には知り合いにご飯やトイレの世話をお願いできればペットホテルに預ける必要もなくなります。

 

あなたが伝染病を運ぶリスクも含めて、愛猫が伝染病にかかるリスクがどの程度あるのかを考えてワクチン接種が必要かどうかを判断すると良いでしょう。

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